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古いNASをMini-ITXケースとして使う その1 [NAS]

先日押入れを片付けていたところ、Logitec社のビジネスモデルのキューブ型のNASが、寂しそうに置かれていたのが眼についた。
手に取って型番を確認すると、シールにはLSV-5S1000/4Cと書かれていたので、以前中古で購入をし数年使った後、2015/7のWindows Storage Server 2003 R2(WSS2003R2)延長サポート終了前にシステム移行をした筈なので、3年以上は押入れの隅に放置されて居たのだろう。(<忘れていてゴメンね!)
NASは家電リサイクルの対象(の筈)で廃棄費用も掛かり、また眼が合って棄てないでビームを受けた(と感じた)こともあり、そのまま処分をするのも[ちょっと可哀そう!]な気になり、少し遊ばせてもらうことにした。

1. LSV-5S/4Cの遊び代?を調べる!
今回の悪戯は、事前調査から組立後の動作確認までの間を、週末2回分位を使って居酒屋1回分程度の経費で楽しむ積りでいるので、先ずは遊び代と経費のイメージを掴むために、NAS内部の清掃も兼ねてバラしてみることに。
フロントカバーの鍵が掛っていたのでツールボックスから鍵を探して開け、固定ネジを廻して外しHDDのマウンタをスロットから抜くと、予想の通りHDDは付いておらず、システム移行後に別用途で再利用をしたことを思い出した。
マウンタを抜いた後、スロットの奥を覗きバックプレーンボードを確認すると、HDDコネクタの形状はSATA規格のもので、遊び代が少し減ったことに気を落とす。
image001.png[バックプレーンボードHDDコネクタの図]

気を取り直してドライバーを握りしめ、国産製品らしくミリネジで固定されていた黒い外枠カバーを取り除き、現れたシャーシの天板を外した後、ここだけインチ螺子だった背面と側面のみり螺子で固定されている電源ユニットを外し眺めると、Flex-ATX規格の180W(FSP GROUP社製)で、システムボード接続用のATXコネクタは20ピン、バックプレーンボードへの電源コネクタはアンフェノール4ピン2個、未使用のATX12V4ピンコネクタが付いていた。
image002.png[電源ユニット]

更に筐体背面のパネルから電動ファンを外し、バックプレーンボードへの電源ケーブルも抜いてファンを眺めてみると、コネクタの形状が異なる3ピン仕様の80x80x25のファンは、SUNON社製[EE80251B3-0000-C99]だ。
image003.png[電動ファン]

筐体背面のパネルが外れると、バックプレーンボードの背中を見ることが出来るので、SATAケーブル、アンフェノール4ピン電源コネクタ、LEDケーブル等を外し眺めると、基板にはコンデンサ等が実装されていることから、製品説明にもあるホットスワップ対応だと理解できる。
image004.png  image005.png[バックプレーンボード]

引続きシャーシのバラしをすすめ、底面と側面の螺子を外しシャーシの噛み合わせをズラすとスロット部のシャーシが外れるので、下からシステムボードが[コンニチハ!]をしてくれる。
電源、SATA、その他のケーブル類を外し、シャーシに固定されている螺子を外すと、めでたくシステムボードを手にすることが出来るので、遊びのヒントが見え隠れするブツを嘗め回すかのように視ると、基板のシールや空きパターンの状況から、VIA社のMini-ITXシステムボード[EPIA LN10000EG]のカスタムモデルだと分かる。
製品設計当時はIDEからSATAへの移行期だった様で、2系統のIDEをSATAに変換をして、2系統のSATAと併せて4系統のSATAを確保していた様で、変換用のサブボードやHDD LEDケーブルの取り回しなどに苦労の跡を感じる。
image006.png[上部は変換用サブボード]

システムボードの正体が分かったので、VIA社のサポートサイトから[EPIA LN10000EG]のマニュアルをDLし、各コネクタ類のピンアウト情報とフロントパネルへの配線等を確認しながら理解をしていく。
 ・ 電源スイッチ用(赤/黒)※ システムボード:フロントパネル用コネクタ PW_BN/GNDへ
 ・ 電源LED用(青/黒)※ システムボード:フロントパネル用コネクタ -PLED/GNDへ
 ・ HDD LED表示用(緑/黒)※ システムボード:フロントパネル用コネクタ HD_LED/GNDへ
 ・ 液晶表示用(緑/黄/黒)※ システムボード:シリアルコネクタへDCD/
 ・ LAN LED表示用(赤/黒 ツイストペア線)※ システムボード:LAN用アクティブLED+/-各ランドへ
image007.png[フロントパネル配線の図]
image008.jpg[赤/黒のLAN LED配線は半田直付]

ここまでの分解・確認・清掃作業で、一通りの構成パーツ類の確認が出来たこともあり、以下の点に留意し、またPCの組立等が出来るスキルがあれば、充分に遊べると思われる。
 ・ 主要なパーツは、規格に基づき製造され市場に出回っている製品で代替えが可能
 ・ 製品固有のフロントパネル基板やバックプレーンボードは、再利用が可能
 ・ ケーブル類は、一部にピン配列の再構成が必要になるが再利用が可能
 ・ LAN LEDの配線は、半田付け作業が必要になる可能性が高い                

2. LSV-5S/4Cで悪戯する!(H/W編)
これまでの分解調査で、まあまあの遊び代を見付けられたので、早速だが少しずつ遊んでみることにする。
市場に出回っているMini-ITX規格のシステムボードであれば、シャーシへの取付けはドライバー1本で簡単に済むのだが、筐体背面下部のシステムボードのバックパネル部の欠き込みは標準的な寸法ではなく、残念ながら交換するシステムボードの付属パネルを取り付けることが出来ない。
本体のバックパネルを外せば、ほとんどのMini-ITXシステムボードの取付けは可能だと思われるが、大きく口を開けたままになりエアフローの効率どころではない。
また付属パネルを収める為には、製品開口部の寸法を付属パネルに合せて加工するなどの手間が必要になる。
更に、拡張スロットに外部接続コネクタがある拡張カードを取付ける場合も、コネクタに合せた開口部をパネルに設ける必要がある。
image009.png[バックパネル&拡張スロット開口部の図]

交換をしようとするシステムボード1枚の検討で、工場化製品の有効利用における得失を目の当たりにする状況ではあるが、楽しみを創出する過程での改造はある程度は起きうるものであり、その際の[現物合せ]は必須事項だと思っているので、この先は手持ちのパーツ類を仮組みする過程で調整事項を洗い出し、手間と費用と達成感のバランスをシミュレーションする。
1) システムボード関連編
分解時に感じていた事だが、システムボードを取付けるベースシャーシからHDDスロットのシャーシ迄の空間(高さ)が思った以上に狭いので、CPUクーラーを含めた全高が低いものを選択する必要がある。
今回の悪戯は、事前調査から組立後のOS起動辺りまでとし、居酒屋1回分位の費用廻して週末2回分位を楽しむ目論見でいるので、小遣いの範疇でそこそこ遊ぶというローコスト(極力在庫品利用)&ハイリターン(工夫満足度確保)のポリシーで対応することとし、最近知人のPCのメンテナンスを請け負った際の対価として物納をされたZOTAC社の[A55ITX-B-E]を取付けてみた。(ZOTAC社はメインボードと呼んでいるようだ)
筐体にはHDDスロットが4本あるため、全てのスロットにHDDを取付けて使う場合は、SATA HDD4本分のコネクタがあるメインボードを選択する必要があるのは言うまでもない。
image010.png [システムボード取付けの図]

メインボードの上面からHDDスロットシャーシの下面までは40mm程度、更に張出しているバックプレーンボードの下端までは35mm程度の高さしか無いため、システムボードを入手する場合にはCPUクーラーも含めた高さや位置の吟味が、この遊びの成果を大きく左右することになりそうだ。
image011.png [システムボード部空間の図]

CPUクーラーの放熱効率が悪いことが前提になるので、発熱の少ないCPUの選択が望ましいのは言うまでもないが、今回はTDPは65Wと少々高めだが、メインボードと共に物納されたAMD社のAPU[A4-6320]をそのまま使うことに。
またCPUクーラーについては、PCショップや通販サイトを探してみたがなかなか見つからなかったが、偶然某オークションで全高30.8mmというバッチグーなakasa社の[AK-CC1101EP02]なるものを見つけゲットした。
image012.png[極薄CPUクーラーの図]

これで今回は限られた空間内に美しく収まるCPUクーラーを用意することが出来ず、こちらも発想を転換しヒートシンク上部のファンを外して取付け、エアフローは別の方法で確保することとした。
image013.png [バックプレーンボード取付けの図]

システムボード上の物理スペースが小さいことから、一時は苦肉の策で純正のCPUクーラーの電動ファンを外し、ヒートシンクだけを取付け前面側からシロッコファンで送風しようかとも考えたが、悪戯の範疇で超薄のCPUクーラーが見つかったので見送ったが、長時間運用をする場合にはCPU温度の確認や、より冷却効果を高める対応の必要があると思われる。
メモリはDDR3規格のDIMM2枚までということで、[PC3-10600 1GB x2]を取付けた。

2) ケーブル・配線編
LSV-5S/4Cに使われているSATAケーブルは25cm(1フィート)程の長さなので、取付けるシステムボード上のSATAコネクタがボードの最先端にでもない限りは、オリジナルのケーブルが再利用できる。
また、フロントパネルへの配線については、フロントパネル側はオリジナルのコネクタはそのまま使い、システムボード側のコネクタは多くのシステムボードに使われている、Linkman社の2.54mmピッチのものの様なので、取付けるシステムボードのマニュアルを確認しながら、フロントパネル用のピンアサインに合せてコンタクトを抜き差しし再利用する。
 ・ 電源スイッチ用(赤/黒)※ システムボード:フロントパネル用コネクタ PW_BN/GND-へ
 ・ 電源LED用(青/黒)※ システムボード:フロントパネル用コネクタ -PLED/GNDへ
 ・ HDD LED表示用(緑/黒)システムボード:フロントパパネル用コネクタ HD_LED/GNDへ
image014.png  image015.jpg[フロントパネル配線の図]

液晶表示用の配線については、システムボード上のピンアサインはメーカーに関わらず原則共通の筈なので、ピンアサインを確認してそのまま再利用をする。
 ・ 液晶表示用(緑/黄/黒)※ システムボード:シリアルコネクタへ
LAN LEDの配線については、簡単な半田付けをする勇気さえあれば、オリジナルの配線を切り取り、新たに取り付けるシステムボード裏面のランドに半田付けをする。(今回は半田付けに必要な工具を持合わせずパス)
 ・ LAN LED表示用(赤/黒 ツイストペア線)※ システムボードLAN用アクティブLED各ランドへ

その2へ続く
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